デイリーレポート(2021年7月5日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は米国雇用統計を前に東京市場では前日高値をわずかに切り上げ、111.64レベルをつけてからは高値圏でもみあいのまま欧州市場入り。欧州雨市場ではユーロ円での売りに引っ張られやや押されての雇用統計待ちとなりました。雇用統計はNFPが予想よりも強い+85万人となったことを受けドル買いで反応しましたが、111.59を戻り高値にすぐに反落。その後も引けにかけて米金利低下とともにじり安の展開を辿り110.95レベルの安値をつけた後にやや戻して引けました。

ユーロも東京市場では動かず、欧州市場序盤にラガルドECB総裁が欧州経済に慎重な発言をしたことをきっかけにユーロは対ドル、対円で売りが先行しました。その後NY市場までは上値が重たい展開が続き、強いNFPの数字を受けてユーロドルは一時1.1807レベルの安値をつけました。その後はドル売りの動きの中でユーロドルも買い戻され1.1874レベルの高値をつけ若干押して引けました。

ドル円は東京市場でつけた111.64レベルが短期的には高値となりました。雇用統計もNFPは強かったのですが、失業率と平均時給は予想よりも弱く、またその後の米金利低下もドル安方向へと動かす結果となりました。さらに週明け月曜が米国市場が球場となることや日柄的に反転しやすい時間帯となっていたことも利食いを促しました。ただ、下がったところでのドル買いの流れにはまだ変化はないようです。

ユーロドルも短期的には安値をつけていますが、ラガルドECB総裁の発言にもある通りでユーロを積極的に買う地合いでもなく、対ドルでは戻り売りが出やすく、対円では基本的に横方向の動きの中でスピード差による上下が見られるイメージです。本日は米国市場が休場で積極的な取引も出ないと見て以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  110.90〜111.30
 ユーロ  1.1835〜1.1875
 ユーロ円 131.55〜131.95



配信日:2021年7月5日