デイリーレポート(2021年7月2日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は欧州市場序盤までは狭い値幅でのもみあいとなっていましたが、東京朝方の高値を上抜けるとストップオーダーも巻き込みながら一段高となりました。欧州市場昼前には111.63レベルまで上伸したものの、その後は利食いも出て111.35レベルまで調整、しかしNY市場では本日の雇用統計を前に改めてドル買いが強まり111.64レベルまで上昇後高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場序盤にドル円の買いとともに1.1837レベルの安値をつけましたが、ユーロ円でも買いが強まったことから上昇、NY市場の朝方に1.1884レベルの高値をつけました。NY市場では全般的なドル買いの流れの中でユーロドルも下押しし、東京前場の水準へと下押しして引けました。

ドル円は本日の雇用統計で強い数字が出るのではないかという思惑も強く年初来高値を更新し、策年コロナショック後の高値111.72レベルまであとわずかという水準にまで上昇しています。本日の雇用統計では失業率、NFPともに改善が予想されていますが、数字次第では一気に111.72レベルを上抜け112円をトライする展開も考えられますし、逆に弱い数字となると週末を前に売りが強まることとなるでしょう。最終的には昨年高値の112.23レベルを視野に入れる展開となってきましたが、短期的には今夜の雇用統計次第です。

ユーロドルはユーロ円の動きがドル円とともに円安となったことから横ばいの動きが続きます。昨日の欧州市場序盤にラガルドECB総裁が変異株の感染拡大による欧州経済の不確実性が増していることに言及しましたが、目立った反応は見られませんでした。しかし、ECBの緊急購入プログラムが長期化する思惑が強まる可能性もある、ユーロの上値を抑えやすい状況となるでしょう。

来週月曜は米国市場が休場となる雇用統計で数字によっては荒れることも考えられますし、日柄的には反転も含めて変化しやすい時間帯に入ってきました。数字が予想に反して弱い時の方が要注意かと思われます。

本日は雇用統計までのレンジとして以下を見ておきます。
 ドル円  111.40〜111.75
 ユーロ  1.1825〜1.1860
 ユーロ円 132.00〜132.40



配信日:2021年7月2日