デイリーレポート(2021年6月18日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日FOMC後の流れを受けてドル高が先行し前場には110.82レベルの高値をつけ、NY市場までは110円台半ばから後半でのもみあいを続けました。NY市場に入り弱い経済指標に加え米金利がFOMC前の水準へと下押ししたことからドル円は110.16レベルまで下押しし安値引けとなりました。

いっぽうユーロドルは東京市場では動かなかったものの、欧州市場序盤にレーンECB理事が緊急債券購入プログラムの終了議論は時期尚早と発言したことからユーロが一段安となりました。NY市場では米金利も低下したものの、ユーロ円がドル円とともに下げるとストップオーダーも巻き込みながら大幅安となり、131.02レベルまで売り込まれ安値圏での引けとなったことから、ユーロドルも1.1892レベルまで下押しし安値圏での引けとなりました。

米金利が低下したことがドル円のドル安につながりましたが、背景としては昨日のレポートで示した考え方で良いと思います。繰り返しておきますと、「FRB議長が会見でドットチャートは将来の利上げの有無を予測するためのツールとしてふさわしくない」、「利上げは議論の中心ではなく資産買い取りのほうが重要」、「今はテーパリングではなく経済状況のデータをより多く見る段階」と市場参加者の過剰な反応を牽制した上で、「テーパリングの発表前に市場に伝える」と、テーパリング議論の前にパウエルFRB議長自ら何らかのシグナルを市場に送ってくるというところです。

いっぽうユーロドルについても資産購入の縮小はまだ先というシグナルが市場に送られたことで、ドル安、ユーロ安という動きが昨日の動きということになります。ドル円は昨日時点からだいぶ下げてきてはいますが、戻り売りが出やすい地合い、ただユーロ円は売られすぎの感じもしますので、ユーロドルとともにやや底堅い展開を見たいところです。

日銀会合は基本的に無風通過だと思いますので、本日は以下のレンジを見ておくこととします。
 ドル円  110.00〜110.50
 ユーロ  1.1885〜1.1950
 ユーロ円 131.05〜131.65



配信日:2021年6月18日