デイリーレポート(2021年6月16日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は本日のFOMCを控えてほとんど動きが見られませんでした。欧州市場では前日高値をわずかに上回り110.17レベルの高値をつけましたが、終日のレンジはわずか18銭にとどまり、110円をわずかに上回る水準で様子見の1日となりました。

いっぽうユーロドルは東京市場では動きは見られなかったものの、欧州市場序盤にはボーイングとエアバスに対する補助金問題が解決に向けて合意したことを好感したユーロ買いが見られました。しかし1.2147レベルの高値をつけてからは、前日は買い戻されたポンドがロックダウン解除延期の報道に1日遅れて反応した格好となり、ユーロも1.2101レベルまで下落、その後は上下する前の水準でもみあいのまま1日を終わりました。

為替市場は基本的に動きが鈍く今夜のFOMC待ちとなっています。FOMCでは大方の予想通りにテーパリングは時期尚早とのスタンスを継続すると考えられますが、一部のメンバーが利上げ時期の前倒し見通しをする可能性もあり、NY後場に一時的に米金利が上昇、ドル買いといった動きが見られるかもしれません。ただ、その場合でもパウエルFRB議長はハト派の旗手としてこれまでの緩和スタンスを強調することになると思いますので、それで流れが変わるというよりも、そうした動きが出てドル買いになるならば、そこはカウンターで売りという方がよさそうに思えます。ただ直近高値も上抜けて110円台半ばにまで上昇となると短期的にドル買い地合いが定着しますが、個人的にはそこまでは無いか、あるいは思ったよりもハト派で拍子抜けといった結果になるのではという見方をしています。ユーロドルについてもドルとしての動きは同様で、以下のコアレンジを見ておきます。
 ドル円  109.90〜110.30
 ユーロ  1.2100〜1.2140
 ユーロ円 133.30〜133.70



配信日:2021年6月16日