デイリーレポート(2021年6月14日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では前日NYの下げに対する週末前のポジション調整もあって底堅い動きが続きましたが鈍い展開でした。欧州市場に入り米金利が上昇する動きとともにユーロドルの下げ足が速まりその動きがドル円にも波及、NY市場では強い米国経済指標も手伝って109.84レベルまで水準を切り上げ、やや押しての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではユーロ円の買い戻しも出たことから底堅い動きとなっていましたが、欧州市場に入り米金利上昇をきっかけにしたユーロ売りが、前日安値を下抜けるとストップオーダーも巻き込みながらユーロドルだけでなくユーロ円にも売りが広がり、ユーロドルが1.2093レベル、ユーロ円は132.66レベルまで水準を切り下げ、それぞれ安値圏での週末クローズとなりました。

ドル円は先週は下値トライも上値トライも失敗するレンジ内での動きが続きましたが、金曜にはユーロドルの動きに引っ張られて前日高値を超える動きとなりました。今週はFOMC、日銀会合と週半ば以降に金融政策イベントが続きますが、FOMCではテーパリングに関するトーンが変わるかどうかが注目材料でしょうか。また6月に入り日本のワクチン接種ペースが急速に上がってきていることから、以前のワクチン接種格差による円売りの動きは直近では引いてきていますので、週初は現在のドル高・円安が息切れしないか、ユーロドルの動きを見ながらの展開となってくるでしょう。

そのユーロドルは、テクニカルに5月後半から6月上旬で高値圏での反転パターンを形成中に見えます。ユーロ売りの動きが米金利の動きと今後も転動するかどうか、FOMC前に向けての思惑もからんで積極的な取引を仕掛けにくい中で、1.2092レベルが5月安値と高値の61.8%押しとも重なり、まさに週初の水準からの動向が要注目となってきますが、勢い的にはもう一段の下押しが出てもおかしくなさそうです。

本日はユーロの上値の重さからのドル高地合いは続くもののユーロ円の売りも出ると見て、ドル円は横ばいかややドルが底堅い程度として以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  109.55〜110.00
 ユーロ  1.2075〜1.2125
 ユーロ円 132.60〜133.05



配信日:2021年6月14日