デイリーレポート(2021年6月11日配信)
ドル円は注目される米国CPI発表を前に若干ドルの上値が重たい地合いでNY市場に入りました。CPIは予想よりも強く前年比で5.0%となったこともあり米金利上昇とともに109.80レベルへと上昇、しかし来週のFOMCを控え米金利が急速に発表前の水準へと押し、更に引けにかけて一段の金利低下となったことから109.31レベルへと水準を下げ安値引けとなりました。
ユーロドルは米国CPIと同時にラガルドECB総裁のECB理事会後の会見が始まり景気見通しについて楽観的な見通しを示しました。そのため初動はCPIに反応してのドル高・ユーロ安、その後にラガルド総裁の発言に反応してユーロ買い戻しと短い時間に上下に振れていました。その後落ち着きを取り戻すとドル売りの動きとユーロ円の売りとがぶつかりユーロドルは1.2170レベルで横方向の動きのまま終わりました。
ドル円は109.80レベルまでしか上がらなかったものの110円の大台近くでは相変わらずドル売りオーダーが見られるいっぽうで週初の安値圏109.20レベルでは買いも出てくるため、目先はどちらにも抜けきれない展開です。しかし、素直にドルとしての判断をしやすかったドル円の動きを見ていると、米金利が1.43%台にまで低下する動きとなっていることから、ドルの上値が重たい展開のほうが妥当に思えます。
ユーロドルは米国CPIによるドル買い、ラガルド総裁会見でのユーロ買い、さらにはユーロ円でのユーロ売りと多くの動きがミックスして方向感がはっきりしませんでしたが、ECBの政策自体は現状維持であり、来週のFOMCに向けて米金利が低下傾向であるならばユーロは底堅くなるでしょう。あとはユーロ円の動きがどうなるかを見ていくこととなりますが、今週初の安値を抜けるか抜けないかで方向が決まってくると考えられます。
週末前で積極的な仕掛けが出ない前提でややドルの上値が重たい展開を考え、以下のレンジを見ておきます。
ドル円 109.10〜109.55
ユーロ 1.2150〜1.2190
ユーロ円 132.90〜133.35
なお、昨日に続き本日も日柄的には動きが出やすく注意が必要です。