デイリーレポート(2021年6月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けのドル円は金曜雇用統計後のドル安の動きが影響して上値の重たい展開が欧州市場昼頃まで続きました。しかし値幅自体は狭く金曜安値圏での降着となっていたところ、ユーロドル上昇の動きとともにドル円は一段安となり109.19レベルまで水準を切り下げて安値圏での引けとなりました。

ユーロドルも欧州市場昼頃までは多少の上下は見られたものの動きが乏しい展開が続いていました。NY市場に入りロシアが外貨をドルからユーロにシフトさせるといった報道が出たことからユーロドルが上昇、1.22台に乗せる場面も見られましたがロシア財務省は同報道を否定したこともあり引けにかけてはやや押しています。

ドルは雇用統計の数字は想定内ではあったもののテーパリング思惑後退による米金利低下から上値の重たい展開となっていましたが、そこにロシアの外貨シフトにつながる話が出てきたことでユーロドルを中心に改めてドル売りが入りました。ロシア当局は否定してはいるものの、何らかの検討がされていることはたしかで、今後の動向には引き続き注意が必要でしょう。

また雇用統計の数字はそこまで悪い内容でも無かったことから多分に週末前のポジション調整による動きが大きかったとは思います。現状ではまだドルの上値は重たいもののドル円とクロス円での円売りはそろそろ改めて入りやすい水準になってきたかと思います。以前のようなドル安+円安の流れになる可能性を考えつつ以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  109.20〜109.60
 ユーロ  1.2170〜1.2210
 ユーロ円 133.05〜133.55



配信日:2021年6月8日