デイリーレポート(2021年6月7日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は110円台での売りも目立ち、米国雇用統計の発表を前にややドル売りが優勢、東京朝方の高値110.33レベルから110.09レベルへと水準を下げての指標待ち。バイデン大統領が雇用に関して会見を行うとのニュースも入り警戒感も高まっていました。雇用統計自体はNFPこそ予想より低かったことからドル売りの動きとなりましたが、数字全体としてはまったくの想定内。しかし前日のドル高の流れでポジションが増えていたのか、ストップオーダーも巻き込みながら109.37レベルまで水準を切り下げました。バイデン大統領の発言は単に雇用のの回復に言及した程度で特に材料とはならず、ドルは上値の重たいままでの引けとなりました。

ユーロドルもドル円とともにユーロ円の上値が重たい流れとなっていたことから上値の重たい流れが続き、1.2104レベルの安値での指標待ちとなりました。ドル円同様にドル売りの動きとなったことからユーロドルも1.2186レベルまで買われた後やや押しての週末クローズとなりました。ユーロ円は東京前場に最近のサポートとなっていた133.60レベルを下抜けたことから利食いも出て上値が重くなり、雇用統計後に133.14レベルの安値をつけ、やや戻しての引けとなりました。

米国雇用統計は前回は予想以上に悪い数字でドル売りとなりましたが、今回は予想よりもやや弱い程度でここまでドル売りが強まったのはやや意外感があります。おそらくは前日のドル高局面で短期筋のドル買いが膨らみ、それが数字と週末前のポジション調整でドル売りになったと言えますが、米金利も数字前の1.63%台から急速に低下、引けにかけては1.55%台へと低下しました。前回の弱い数字もわずかに上方修正された程度でしたし、今回の数字程度ではテーパリングはまだ先という見方が広がった結果と言えるでしょう。

米金利とドルとの相関は依然として高く、今週も米金利を見ながらドルの動向を考える展開が続きそうです。本日はドルが大きく下げた後ということもあり、調整のドル買い戻しも出てくると考え、以下のレンジとします。
 ドル円  109.35〜109.75
 ユーロ  1.2140〜1.2185
 ユーロ円 133.10〜133.55



配信日:2021年6月7日