デイリーレポート(2021年5月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

欧州市場前場までは全く動意の見られなかったドル円でしたが、バイデン大統領がインフラ予算に6兆ドルを提案するとの報道をきっかけに財政赤字拡大思惑による長期金利上昇によるドル高の動きとなりました。10年債利回りは一時1.62%まで上昇しドル円もクロス円の買いも重なって109.92レベルの高値をつけました。110円の大台を前に売りも出たことから引けにかけてはやや押して引けました。

いっぽうユーロドルはドル買いによるユーロ売りの動きとユーロ円の買いの動きがぶつかって1.2195レベルをもみあいの中心としてもみあいが続きましたが、ユーロ円はドル円とともに上昇し一時134.06レベルと年初来高値を更新し2018年2月以来の高値をつけています。

ドル円は米金利上昇の動きによるドル買いの動きを一手に引き受けた値動きを見せていますが、今後FRBによるテーパリング思惑が出てくる場合にも円独歩安の動きになる可能性があります。昨日は英中銀のMPCメンバーが早期利上げの可能性に言及しています。一昨日のECB理事によるテーパリング牽制発言もありましたが、どの中銀にもハト派もタカ派もいることも考える必要があります。そして景気回復の道筋が見えてくれば将来的な方向は緩和の縮小となり、対欧州通貨でも円安の流れを継続しやすいと考えざるを得ないでしょう。

来週月曜が米国と英国が休場となることもあって、本日は週末と実質的な月末となります。月末実需の動きにも注意しながら、円安地合いが継続しやすいでしょう。本日は以下の中心レンジを見ておきます。
 ドル円  109.65〜110.10
 ユーロ  1.2160〜1.2205
 ユーロ円 133.75〜134.20



配信日:2021年5月28日