デイリーレポート(2021年5月27日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日は本文のみの更新となります。

ドル円は東京市場では動意薄でしたが欧州市場に入りECB理事の発言でユーロ売りの動きに引っ張られてドル買いへと動きが出ました。NY市場前場には最近トライしきれなかった109円台にしっかり乗せると日計りのストップも出て109.18レベルの高値をつけ、引けにかけては若干押して引けました。

ユーロドルも欧州市場までは動きが見られませんでしたが、パネッタECB理事が現時点では債券購入の減速は正当化できないとテーパリング思惑を牽制する発言をきっかけにユーロは下げに転じました。東京後場には1.2263レベルの高値をつけていましたが、NY後場には1.2182レベルまで水準を切り下げ上値が重たいままでの引けとなりました。

ドル円はユーロに引っ張られてのドル買いでしたが、これまでのもみあいを上抜け他感じもあり目先は底堅い展開となりそうです。ただ、109円台半ばにかけてはドル売りも出てくると見られ足取りが鈍い流れは続くでしょう。本日は108.95レベルをサポートに109.35レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

昨夕はパネッタECB理事の発言が早期テーパリング思惑を後退させる結果とはなりましたが、FEBもECBもメンバーにはタカ派もハト派もいます。パウエルFRB議長の発言は常にハト派寄りですし、元イタリア中銀副総裁のパネッタ専務理事はECB理事就任当初からハト派を明確にしていますので、誰が発言するかで動きが変わるという点には注意が必要です。

ただ、市場参加者が全般に欧州の早期テーパリンング思惑を描いていたことから、短期的にその反動による戻り売りが出やすい流れにあるとは言えます。本日はやや上値の重たい展開を考え、ユーロドルが1.2160〜1.2210、ユーロ円は132.90〜133.30とします。



配信日:2021年5月27日