デイリーレポート(2021年5月6日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場が3連休となった週前半の動きを簡単に振り返っておきます。

ドル円は前週末NY市場でのドル高の流れを継続し、特に材料は無かったものの3日アジア市場で一段高、欧州市場序盤には109.70レベルの高値をつけました。しかし109円台後半から110円の大台にかけてはドル売りオーダーがあったこと、またユーロドルでのユーロ買いの動きからドル円でもドルが連れ安の展開となりました。NY市場に入ると弱目の経済指標をきっかけにドル売りが強まり、米金利低下も重なり日計りのストップも巻き込みながら108.90レベルまで水準を切り下げました。108円台ではドル買いも見られ109円台に戻して引けました。

その後のドル円は109円台後半の売りと108円台後半の買いを確認したことや、東京勢が連休で休みとなったこともあり、月曜のレンジ内で109円台前半を中心として、高値を切り下げ、安値を切り上げるもみあいを5日のNYクローズまで続けています。一点気になったニュースとしてはイエレン財務長官が米金利の上昇を容認する発言をしたことで、この発言が米金利を上昇させることとなりましたが、ドル円への影響は限定的なものとなりました。

いっぽうユーロドルは、月曜の欧州市場でデギンドスECB副総裁がワクチン接種の進展による経済回復が進めば緩和政策を段階的に解除可能と発言したことをきっかけにユーロ買いに動きました。NY市場ではドル売りの動きからユーロドルでもユーロ買いとはなっていたものの、ユーロ円の売りも入ったことからユーロドルの上昇は鈍く、高値は1.2076レベルまでに止まりました。

その後のユーロドルは一転売りが目立ち、高値安値とも切り下げる展開が続きました。週初のユーロ買いの動きもそれほど強くはなく前週末からのユーロ安の流れが継続する中で、イエレン財務長官の米金利上昇容認発言によるドル買いが対ユーロでやや効いていた流れと考えられます。

連休明けの本日は東京の実需筋は依然として連休中のところも多く、また明日には米国雇用統計の発表もあり、ドル円の動きは鈍いままもみあい継続となりやすいでしょう。いっぽうでユーロは引き続き対ドル、対円ともに上値が重たい地合いとなってきそうです。本日は以下のレンジを見ておきます。
 ドル円  109.00〜109.40
 ユーロ  1.1980〜1.2025
 ユーロ円 130.90〜131.40



配信日:2021年5月6日