デイリーレポート(2021年4月23日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は前日の上値の重たい流れを受け、米金利が低下する動きとともにじり安、欧州市場序盤には前日安値を若干下回り107.81レベルの安値をつけました。しかし下がったところでは買いオーダーがあったことやユーロ円の買いが出たことも重なってNY昼過ぎには108.23レベルの戻り高値をつけ、引けにかけては108円をやや下回りと方向感がはっきりしない1日となりました。

ユーロドルはECB理事会を前に上下しながらもどちらかというとユーロ買いが目立っていました。ECB理事会は想定範囲内の内容に留まり為替の水準に対する言及も無かったことから直後には1.2070レベルの高値をつけました。しかしNY後場に入りバイデン大統領が富裕層を対象としたキャピタルゲイン課税を提案すると米株が下落し、ユーロドルもそれに沿って下落、引けにかけては1.1994レベルまで下押しし、やや戻して引けました。

ドル円は108円を挟んで107円台後半の買いと108円台前半の売りとの綱引きが続いていますが、もともと108円台半ばにあったドル売りオーダーが水準を下げてきている様子で戻りの弱い印象です。ユーロが対ドル、対円ともに下げる動きからドル円はユーロ円が週間安値を更新する動きが出てくると一段安ということになるでしょう。

ユーロドルは米国株の下げをきっかけに反転下落しましたが、理事会前から買っていた向きの投げもある程度あったように思えます。週末を控えて上値の重たい動きが続きそうですが、昨夜は既に引けていた欧州株の動きも気になるところです。本日も全体として3主要通貨ペアともにやや上値が重たい流れを考え、以下のレンジを示しておきます。
 ドル円  107.65〜108.15
 ユーロ  1.1985〜1.2035
 ユーロ円 129.45〜129.95



配信日:2021年4月23日