デイリーレポート(2021年3月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

金曜のドル円は仲値で実需のドル買いが出たことから買いが先行したものの道銀会合の結果発表を前に109円台では売りも出ていました。日銀会合の結果は前日にリークされた通り、10年債利回りの変動幅を±0.2%から±0.25%へと拡大、ETF購入額の原則部分を削除、そして新たに貸出促進付利が創設されました。

この貸出促進付利というのは銀行の貸出規模に応じて日銀に預ける際の付利が変更される仕組みで、今後マイナス金利を深掘りするにあたって、積極的に貸し出しをおこなっている銀行には影響を少なくすることを考えているようです。一連の発表が終わるとドル円は円金利上昇容認と判断し円買い、株式市場は自動的に購入されるETFが無くなる事から売りで反応しました。

その後欧州市場序盤に108.61レベルと週間安値を更新しましたが海外市場ではユーロドルに売りが入ったことをきっかけに反転、NY市場朝方には109円台に戻したものの上がりきらず108円台後半でもみあいのまま週末クローズとなりました。

ユーロドルは東京市場ではドル円の下げもあってじり高となっていましたが、欧州市場に入ると反落、引き続き欧州における新型コロナ感染拡大を懸念する動きが続いている様子でした。NY市場ではポンドに売りが入ったことから上値を抑える動きにはなりましたが、ユーロドルは動意薄のままで引けました。

金曜のNY市場では大手銀行に対する優遇措置が3月末で終わり延長されないとのFRBの声明により株安の動きとなり、株式市場に警戒感が広がっていましたが、週末には先週大幅利上げを行なったトルコ中銀総裁が更迭されたことを受けトルコリラは暴落、トルコリラ円のストップ売りによりドル円でも円がギャップダウンしてスタートする動きとなりました。

全体として見てみると、ユーロ売り・ドル買い、ドル売り円買いの動きが目立ち、主要通貨でのクロス円、そして新興国通貨でのクロス円、全般に円買いの動きとなりやすい週明けを迎えたように思います。本日は主要通貨は全て戻り売りの流れを考え、以下のレンジを見ておきます。

ドル円  108.50〜109.00
ユーロ  1.1850〜1.1900
ユーロ円 128.90〜129.50



配信日:2021年3月22日