デイリーレポート(2021年3月19日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は、朝方はFOMC後の株高から日経平均も大幅高となりドル円は円安に動いていました。しかし昼過ぎに日銀会合の点検において長期金利の変動幅拡大とETF購入枠撤廃を検討とのオフィシャルリークが出たことから反落、109円台から一時108.62レベルの安値をつけました。その後海外市場に移ると米金利が大きく上昇する動きとともに109.30レベルの高値をつけましたが前日高値は抜けられず。NY市場では株安と原油安も円買い材料となり、引けにかけては上下しながらも108円台後半へと押して引けました。

ユーロドルは東京前場から上値の重い展開で始まり、東京後場にドル円が買い戻された際にユーロ円の買いも出たことから1.1989レベルの高値を見たものの、滞空時間は短く反落。海外市場に移ってからは米金利上昇によるドル買いと、パリのロックダウンなどユーロ売り材料も出て、引けに向けては1.1906レベルまで水準を切り下げて安値圏での引けとなりました。

本日の日銀会合で昨日の日経新聞の速報が覆されることはないでしょう。市場にショックを与えないために事前に日銀筋が公式にリークした記事だと考えられます。その通りに出てくるとすると、10年債利回りを±0.2%から±0.25%へと拡大、明らかに金利上昇のプラス側への変動容認です。またETFとREITの購入枠も原則を無くすことで、今後は定期的な買いは出てこないこととなるでしょう。そうであるとすると、株式市場にとっては悪材料、為替市場は円高で反応することとなりますが、既に昨日出ているため大きな動きにつながることはなさそうです。いっぽうで米金利は昨夜大きく上昇し1.75%台にまで達し、これはドル買い材料です。ドル円は双方の材料に挟まれて108.60をサポートに109.10レベルをレジスタンスとする流れでしょうか。

ユーロドルは素直に米金利上昇に反応したドル高・ユーロ売りとなっています。英中銀MPCは無風通過でしたが、欧州ではワクチン接種が中断される中で感染拡大も見られパリではロックダウンが決まりました。ドル買い材料とユーロ売り材料とでユーロは対ドル、対円ともに上値が重くなる週末相場になりそうです。ユーロドルが1.1885〜1.1935、ユーロ円が129.50〜130.00とします。



配信日:2021年3月19日