デイリーレポート(2021年3月18日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はユーロ円とともに前日の下げに対する買い戻しがFOMCまで続き、FOMC直前には109.33レベルの高値をつけたものの、月曜の高値は試せずという状況でした。注目のFOMCでは景気回復は上向きとしながらもインフレ目標は下回っているというこれまで同様の内容でしたが、金利見通しでは依然として2023年まで現状のゼロ金利が継続されるという見通し。この結果から米金利は低下、為替市場はドル安で反応し、ドル円は108.74レベルまで下げ、若干戻して引けました。

ユーロドルはFOMCまでは1.19を挟んでまったく動かない流れが続きました。FOMC後の金利低下の動きからユーロドルもドル売りで反応し、1.1986レベルまで上伸したことで週間高値を更新しました。ユーロ円もユーロドルでの動きがより大きかったことから130.44レベルまで上昇しましたが、月曜高値は試しきれないまま引けました。

ドル円はFOMCの結果自体は想定内ではあったものの金利見通しには変化があるのではといった思惑も否定されたことで、長期にわたる超緩和状態が継続される見通しとなりましたが。為替市場は素直にドル売りで反応し、株式市場は金利低下を株高材料と捉えていました。次は金曜の日銀会合待ちとなりますが、日銀は長期金利上昇に対してイールドカーブコントロールを強化するという見方が多いように思えます。その場合は円売り材料となりそうですが、こちらも蓋を開けてみないとわからないため、動きにくい流れが続きそうです。ただ今日のところは109円台前半での上値の重さから戻り売りは出てくると考えられます。108.55レベルをサポートに109.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロドルは大きく上昇する結果となりましたが、欧州と米国は金融政策会合が終わったということで、買いやすかったという面もあったかと思います。本日も押し目買いは出てくると思われ、ユーロドルが1.1960〜1.2005、ユーロ円が130.25〜130.65とします。



配信日:2021年3月18日