デイリーレポート(2021年3月17日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は米金利が上昇気味の動きとともに底堅い動きとなっていましたが、109円台前半の上値の重さも同様に続いていました。欧州市場序盤には109.29レベルの水準でしたが、その後は欧州通貨が底堅い動きとなっていたことや朝方安値を下回る動きの中で米国の弱い経済指標に反応し、108.77レベルの安値をつけました。NY市場では引けまでじり高とはなりましたが109円台では売りも見られ、金融政策イベントを控えて動きにくい流れになっています。

ユーロドルは東京市場ではやや上げた後に下げて欧州市場入り、欧州市場序盤はポンド買い戻しがリードしてのユーロ高となりましたが、米国経済指標でのドル円の売りがユーロ円にも影響したことからユーロドルも下げる動きとなり、テクニカルにも直近の安値圏を下回る動きも重なって1.1882レベルまで下押しし、日系にかけてはやや買いも出ての引けとなりました。

ドル円は108円台後半の買いと109円台前半の売りに挟まれて動きにくい地合いのままで今夜のFOMCを迎えることとなり、一層動きが出にくくなると考えられます。ただ金利上昇容認の姿勢に変化はないと見られることから、それに反応してドル買いとなるのか、あるいはイベント通過で利食いのドル売りとなるのか悩ましいところですが、金曜には日銀会合もあり方向感は出ないままというのが正解ではないでしょうか。本日は108.80レベルをサポートに109.25レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロドルは昨日はユーロ円の下げが思いのほか効いた動きとなりましたが、ポンドには買い戻しも出ているもののワクチン接種中断の動きは悪材料と考えざるを得ません。FOMC後にどちらに動くのかは上述のとおりで判断しかねるところですが、本日は対ドル、対円ともに戻り売りが出やすい地合いになりそうです。ユーロドルが1.1875〜1.1920、ユーロ円が129.55〜130.00とします。



配信日:2021年3月17日