デイリーレポート(2019年7月26日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は、NY市場までは動意薄の展開が続きました。NY市場に入ると強めの経済指標に反応しドル買いの動きとなりましたが、材料に反応したというよりもユーロ円の急激な買い戻しに反応したという面が強かったと思います。ストップオーダーも巻き込みながら108.75レベルまで買われそのまま高値圏で引けました。

いっぽうユーロドルはECB理事会を前に上値の重たい展開が続きました。理事会では現状維持との結果から買いが先行したものの、その後は緩和を示す示す文言が並びユーロドルは一時年初来安値を割り込みました。しかしドラギ総裁の会見では今回の理事会では利下げを検討しなかったことが示され、ユーロは対ドル対円で急速に買い戻される動きとなりました。ユーロドルはドル買いも出たことから引けにかけてはほぼ東京朝方の水準に戻しての引けとなりました。

ドル円はドル買いの材料もあったものの、どちらかと言うとユーロ円での買い戻しの影響が大きく108円台後半だと水準を上げています。しかし108円台後半から109円にかけてはまだドル売りオーダーも残っていますし、週末を前にして戻り売りが出やすい状況です。本日は108.80レベルをレジスタンスに108.40レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは昨日の理事会でこそ利下げ等の検討はされなかったようですが、出てきた文言を見る限りにおいて、9月の理事会での緩和実施の可能性は高いと考えられます。おそらく市場参加者の思惑が、緩和に振れすぎていると感じたことによる会見ではなかったかと考えられます。米国のブレグジットの問題もあり、当面はユーロも戻り売りが出やすい地合いになりそうです。本日はユーロドルが1.1120〜70、ユーロ円は120.75〜121.25のレンジとします。

レポート全文はこちら http://www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年7月26日