デイリーレポート(2021年3月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京早朝から欧州市場前場まで一本調子でドル買いの動きが続きました。主要因は前日海外市場から上昇していた米金利が一段高となったことですが、日経平均株価の上昇やテクニカルにそれまで高値を切り下げていたレジスタンスラインを上抜けということもありました。109.17レベルの高値を付けたあとの海外市場ではユーロドルがユーロ買い・ドル売りに転じたこともあって高値圏でもみあいのまま引けました。

ユーロドルも東京市場から欧州市場前場まではドル買いの動きに押されて水準を切り下げる動きとなり欧州市場前場には1.1910レベルの安値をつけました。しかし、週末を控えたポジション調整にユーロ円の買いも加わってユーロドルは1.19台半ばへと欧州市場序盤の水準に戻して引けました。

先週は火曜に109円台を見た後は短期的な高値を見たと考える参加者も多く週半ば以降は高値を切り下げる展開が続いていましたが、108.35レベルの異常な底堅さもあって金曜には米金利、テクニカル、日経平均上昇と改めてドル買いの動きが強まりました。先週高値109.23レベルを上抜けると一段高の可能性が高まりますが、先週も書いたように109円台前半から半ばは長期レジスタンスが位置していて簡単には抜けられない水準です。今週はFOMCと日銀会合もありますので、積極的な買い仕掛けにも動きにくそうです。本日は109.20レベルをレジスタンスに108.80レベルをサポートと、109円挟みのもみあいを考えています。

ユーロドルもドルとしては似た動きとなりましたが、ユーロ円がNY後場には130.39レベルまで上昇し、2018年10月以来の高値をつけたこともあって、海外市場でも比較的底堅い動きとなりました。米金利高によるドル買い(ユーロ売り)の動きと株高から来るユーロ円の買いとでユーロは逆方向の動きとなり、週初も方向感が出にくい状況から始まります。ただユーロ円の水準が高く実需の売りも出てきそうですから、本日はユーロはもみあいとなりそうです。ユーロドルが1.1925〜1.1975、ユーロ円が130.00〜130.50とします。



配信日:2021年3月15日