デイリーレポート(2021年3月12日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では前日と似た動きを見せ下げに対する調整と値頃感によるドル買いの動きから後場には108.81レベルの高値をつけました。しかし欧州市場序盤以降米金利が急速に低下すると朝方の水準へと押し、再び金利上昇とともに買い戻しが見られましたが、高値は’着実に切り下げ、また安値も108.35では下位が出るという前日からの動きが続き、徐々に値動きを狭めての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場序盤には米金利低下によるユーロ買いが出てECB理事会待ちとなりました。ECB理事会では債券緊急購入プログラムの購入ペースを加速させるとの発言に欧州金利安、ユーロ安で反応しましたが、ユーロは東京市場の水準にも下げず、材料が出尽くしたとの見方からユーロ買いへと転じ、1.1990レベルの高値をつけそのまま高値圏での引けとなりました。

ドル円は高値を切り下げる動きが続いていて、109円台が当面の高値となった感が強まっています。しかしいっぽうでは108.35レベルが妙に底堅く大口の買いが控えているように見えます。また調整を挟んだ後は再びドル高に戻ると考える参加者も多く、昨日の高値を上抜ける動きが出てくるようだと改めて109円台を試しに行く動きとなりそうです。ただ来週にはFOMCと日銀会合もあり、それを前にしての新値更新も難しいと思われ、当面は108円台半ばから後半でのもみあいが中心となるでしょう。本日は108.40レベルをサポートに108.80レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロドルは注目のECB理事会が終わりましたが、債券購入ペースを加速させることで金利上昇に歯止めがかかるいっぽうで為替市場ではユーロが底堅い流れが続いています。理事会以降はユーロ円の買いがユーロドルを下支えしていた様子で、ユーロ円は2月高値を上抜け130円の大台に乗せてきました。達成感が出るのか、更なる買いにつながるのか判断は難しいものの、テクニカルにはサポートラインの上で上昇トレンドを継続していることから、まずは買い先行でしょうか。本日も底堅い展開を考え、ユーロドルが1.1960〜1.2010、ユーロ円が129.95〜130.45とします。



配信日:2021年3月12日