デイリーレポート(2021年3月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル高の一日となりました。ドル円は円売り先行後に仲値前後で押しも見られましたが、後場に入り前場高値を抜ける動きの中で黒田日銀総裁が長期金利上昇に対して変動幅拡大を否定。円金利が低下したことから長期金利の日米金利差拡大もドル買い要因とされました。欧州時間に入るとユーロの下げがドル買いをリード、NY市場では強い米国雇用統計を背景に再びドル高となり一時108.64レベルの高値をつけ、引けにかけてはやや押しての引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではドル円に引っ張られてユーロ安となっていましたがユーロ円の買いも出ていたため緩やかな下げに留まっていました。欧州市場に入り序盤は欧州株の下げがユーロ安材料とされたものの、株安が収まるとユーロ安も一段落。雇用統計を前にいったん買いも入りましたが、強い数字に改めてドル買いとなり1.1893レベルまで下落後に若干戻して引けました。

先週のドル円は107円乗せまではまだ上昇トレンドがそのまま続くかは考える余地がありましたが、テクニカルに水曜に上昇チャンネルを上抜ける動きをきっかけに週後半はドル高が加速する結果となりました。ただ108円台前半から半ばにかけてはテクニカルなターゲットを達成したこともあって、いったん調整が入りやすい水準です。上昇トレンド自体に変化はないものの調整にも注意が必要です。本日は108円台前半でのもみあいを考え、108.00レベルをさぽーとに108.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロドルも週後半の下げで2月安値を下抜けてきたことで昨年11月以来の1.18台を見ることとなりました。こちらもテクニカルには1.18台後半はターゲットとなっていたこともあって、いったん下げ止まりやすい水準となってきました。本日はユーロドルが1.19台前半でのもみあいを考え1.1900〜1.1950、ユーロ円は128.90〜129.40のレンジとします。



配信日:2021年3月8日