デイリーレポート(2021年3月4日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は火曜日の僅かな調整を挟んで再び円安+ドル高の動きとなりました。東京市場では強い日経平均株価を円安材料に海外市場に移ってからは改めて上昇に転じた米金利の動きを見てドル高材料と、常に上方向にバイアスがかかりやすい流れが終日続きました。NY昼前には一時107.15レベルの高値をつけ引けにかけて若干押しも入り107円前後での引けとなりました。

ユーロドルは東京市場では全く動かず、欧州市場に入ってからECB関係者が長期金利上昇に対処する当面の手段が無いとの発言を受け一時的にユーロ買いの動きが見られましたが、米金利上昇の動きに押されてNY朝方には1.2043レベルへと下押し。上値が重たいままでの引けとなりました。

ドル円は何があっても上を目指すという感じで、円売り材料、ドル買い材料にのみ反応する地合いが続いています。106円台後半の売りオーダーと107円超えのストップオーダーともにこなしたことで、いったん落ち着きそうではありますが、引き続き株価と米金利を見ながらの展開です。テクニカルには日足チャートで上昇チャンネルの中での推移が続き、昨夜はチャンネル上側のラインを上ヒゲで抜けていますが、まだ明確に抜けたとも言えない状況です。このまま上がるのか反転するのかは今日の動き次第というところです。本日は106.80レベルをサポートに107.20レベルをレジスタンスと、107円挟みの展開を見ておきます。

ユーロはECB関係者の発言で当面は欧州の金利上昇に対して手が打たれないであろうという思惑と、米金利上昇との綱引きで最終的にはドル円同様に米金利上昇側に引っ張られたことになります。ECBとしては金利にしても為替にしても口先で懸念を表明するにとどまるという見方が広がると、残すところは米金利がどこまで上がるのか次第という感じもしてきます。明日には米国雇用統計もありますので積極的には動きにくいものの、対ドル対円ともに本日はやや上値が重たい展開でしょう。ユーロドルが1.2035〜1.2085、ユーロ円は128.75〜129.25とします。



配信日:2021年3月4日