デイリーレポート(2021年3月3日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はこれまでと同様に細かな上下は見られたものの欧州市場昼頃まで一貫してドル買いの動きが続き一時106.96レベルの高値をつけました。しかし既に反転していたユーロドルの動きを追いかけるようにドル円も反落、NY後場には106.66レベルまで水準を下げて安値圏での引けとなりました。

いっぽうユーロドルは前日の欧州金利上昇に対する懸念発言が影響し、ユーロ売りが継続しました。欧州市場序盤には弱い経済指標も手伝って一時1.1992レベルと1.20の大台割れを示現。しかし大台割れではユーロ買いも見られ自律反転する中で米金利低下と実需のユーロ買いも加わって短期筋がふみ上げ1.2094レベルへと上伸、高値引けとなりました。

ドル円は106円台後半から107円にかけては実需も含めた売りオーダーが並んでいます。実需は日銀短観に示された想定為替レート106.79よりも上では引き続き出てくると考えられますが、逆に売りオーダーをこなして昨日高値を上回るような動きになってくるとさらなる円安につながる可能性もあり、今日は上下のオーダーの厚さを確認しながら次の方向性を探る展開でしょうか。ここでは引き続き上値の重たい流れを考え、106.95レベルをレジスタンスに106.50レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは前日のフランス中銀総裁発言以降ECBが追加緩和に動くのではといった思惑もあり短期的にユーロ売りが膨らんだ反動が出ました。安値から100pips以上反騰し、1.20の大台割れはいったん底打ちの動きとなりました。しかし、欧州の長期金利が高止まりしている状況ではECB関係者が懸念している事実には変化はありませんので、ここからの上昇も限定的になってくるでしょう。本日は戻り売りを考え、ユーロドルが1.2060〜1.2110、ユーロ円はもみあいを考え128.80〜19.30とします。



配信日:2021年3月3日