デイリーレポート(2021年3月2日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

月初のドル円は若干の下押しを挟みながらも終日ドル高の動きとなりました。東京市場から株式市場が底堅く始まり金融市場全般に落ち着きが見られる中で、先週からのドル高トレンドを継続した流れと言え、特にドル買いにつながる材料があったわけではありません。

ユーロドルもドル円同様にドル高(ユーロ安)のトレンドを継続し、1.2028レベルまで水準を下げました。NY市場でフランス中銀総裁が金利上昇に懸念を示し、ECBが対応する必要があると発言したこともユーロの上値を抑える結果となりました。

ドル円は既に先週安値から2円近く調整らしい調整もないままに上げ続けてきていますが、テクニカルには上昇チャンネルの上限が107円水準に位置していますし、前回12月の日銀短観で想定為替レートが106.79tpんまっていたことから、同水準よりも上では期末に向けて実需を中心にドル売りが出やすくなってくると考えられます。本日もNYの引けよりも上では売りが出やすいと見て106.90レベルをレジスタンスに106.40レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはユーロの水準だけでなく米金利とともに上昇が目立つ金利水準についても言及があったことで、一段とユーロの上値を抑えやすい地合いとなっています、ちなみにドイツ10年債の利回りを例にあげると年初は-0.61%、2月初めは-0.53%、そして先週のピーク時には-0.23%とここ1か月でも0.3%もの上昇です。1月はユーロ高が金利上昇に与える懸念で済んでいましたが、直近では世界的な長期金利上昇が静観してはいられない水準に近づいてきているというところでしょう。本日もユーロは戻り売りが出やすくはなるものの、1.20の大台を前に買いも出てきそうです。ユーロドルが1.2010〜1.2060、ユーロ円はもみあいを考え128.30〜128.90とします。



配信日:2021年3月2日