デイリーレポート(2021年3月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京前場のドル円は早朝は買いが出たものの、米金利低下と日経平均の下げに反応してドル売りに転じ、昼前に105.85レベルの安値をつけました。東京後場以降は金利や株価の動きよりもユードドルでの下げに反応してドル買いの歩調を揃え、上下しながらもNY昼過ぎには106.69レベルへと上値を切り上げ若干押しての月末クローズとなりました。

ユーロドルは前日NY後場以降の下げを継続し、若干の戻しを挟みながらも着実に下げ欧州市場で24日安値下抜け、NY市場で週間安値更新と前日までのユーロ買いの動きに対して急速に調整が入りました。月末の実需のユーロ売りも出ていた様子です。引けにかけては1.2062レベルの安値をつけ、そのまま安値圏での引けとなりました。

ドル円のドル買いの動きは根強いものがあり、東京が休場となった火曜の104円台を安値に連日ドル買いが続いています。日経平均は米国株の下げをきっかけに金曜の東京大引には29000円を割り込みましたし、米金利も木曜以降は下げているものの円売りにもドル買いにも反応しています。以前は105円を割り込んだら買いという流れが、今では106円を割り込んだら買いと1円水準を変えてきた感じがします。106円台後半を積極的に買うのは抵抗がありますが、テクニカルには年初来安値からの上昇チャンネルの中での推移を継続していて、今週はチャンネル上限が107円へと上がってきます。107円近くでようやくドル売りも出てくるというイメージでしょうか。本日は若干上値の重たい動きを考え106.15レベルをサポートに106.65レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

ユーロドルは金曜に大きく下げましたが、月末実需によるユーロポンドやユーロ円でもユーロ売りが出ていたため、ユーロドルでの売りが強まったという印象です。金曜は全般にドル高ではあったものの、米金利からは離れた動きとなっていて、ドル指数が前日の89.68から90.98へと上がってきた動きを見ても、ドル円を除いて全体的なドル売りの動きに対して月末の調整が入ったという見方でよさそうです。本日のユーロドルはもみあいからやや底堅い動きを考え1.2070〜1.2120、ユーロ円はもみあいを考え128.10〜129.00とします。



配信日:2021年3月1日