Dailyレポート(2019年7月11日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

昨日はNY市場前場にパウエルFRB議長の議会証言、後場にFOMC議事録公表と今後の方向性を占う重要イベントを控えていたことから、それまでは108.90前後の狭い値動きを続けていました。東京市場では朝方に108.99レベルの高値をつけたものの後が続かなかったことから改めて109円台の上値の重たさを感じさせたと言えます。NY市場に入り議会証言の原稿が公表され、前回会合以降の世界経済の不透明感、米国景気を支えるための行動、といった言葉が並び今月のFOMCでの利下げを確信させたことからドルは急速に売り込まれました。議事録公表自体は議会証言よりも古いことから目立った反応は無かったものの、引けにかけては一段安となり108.35レベルの安値をつけ若干戻して引けました。いっぽうユーロドルは、イベントを控えドル円同様に基本様子見だったものの欧州市場序盤から買いが先行。NY市場では議会証言の原稿内容に反応して一段高、1.1265レベルまで上伸後にやや押しての引けとなっています。

ドル円は109円台の重たさを感じさせたこと、またテクニカルに年初来高値112.40とその後の安値106.78レベルの38.2%戻しが108.93とほぼ昨日高値と一致を見たこと、さらに106.78レベルからのサポートを下抜いたことと、買いから入るシナリオは考える必要が無い、という流れになってきました。NY引け後もドル続落となっていますが、当面は上がっても下がってもドル売りで臨むスタンスでよいでしょう。本日は108.40レベルをレジスタンスに107.80レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロは欧州にも悪材料があるためユーロ円の売りがもっともよいのですが、ユーロドルとしてみた場合には今日のところは若干底堅い値動きを続けやすいと言えます。しかし基本的にはどこかで下がる可能性が高いと見ていたほうがよいでしょう。ユーロ円はドル円の下げの影響が強く出ますので、当面は下値を模索する展開が続きます。本日はユーロドルが1.1240?80、ユーロ円は121.55?122.05のレンジとします。

レポート全文は www.ascendant.jp/gain/daily/Daily.pdf



配信日:2019年7月11日