デイリーレポート(2020年1月31日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はNY市場まではもみあいを続けていましたが、ポンド買いによるドル売りの動きに加え、米国10〜12月期GDPにおいて個人消費が予想よりも弱かったこともドル売りに作用しました。NY後場には108.57レベルまで水準を切り下げましたが、引けにかけてダウが急速に買い戻される動きとともに東京市場の水準に戻して引けました。

いっぽうユーロドルは東京市場はもみあい、欧州市場に入り英中銀MPCの発表を前にポンドが下押し後に買い戻される動きに沿ってユーロも小幅に追随する動きとなりました。MPCは大方の予想通りで現状維持、委員の利下げ票も前回と同じで2名だったことからポンドの買い戻しとともにユーロドルでも買いが続いての引けとなりました。

ドル円はWHOが新型コロナウイルスについて緊急事態の宣言をしましたが、SARSの時と比較すると1ヶ月半ほど早いタイミングです。こればかりはまったく予想できませんが、終息宣言も同様に早まるとしても2月いっぱいくらいは懸念すべき状態が続きそうですし、そうであるとすれば上がったところでは改めてドル売り・円買いが入りやすくなるでしょう。いまのところ108円台後半では買いも出ていますが、上がったところでの売りのほうが本流だと思います。本日も戻り売りを考え、109.20レベルをレジスタンスに108.80レベルをサポートとします。

ユーロドルは英中銀MPCで現状維持だとしても利下げに票を投じる委員が前回の2名よりも増える可能性があるのではという思惑もあっただけに、前回と同じであったことによる買い戻しがユーロドルにも波及した格好です。ただ、これで金融政策イベントも通過しましたので、本日の英国のEU離脱後、そして新型コロナウイルスのことを考えるとユーロもまた上がったら売りという見方でよいでしょう。本日はユーロドルが1.1005〜40、ユーロ円は120.10〜45のレンジを見ておきます。



配信日:2020年1月31日