デイリーレポート(2020年2月3日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京前場はNY市場での引けに向けての買い戻しが株価とともに目立つ流れでしたが、後場以降は徐々に上値が重くなりNYの朝方には東京早朝の水準へと押していました。NY市場では新型コロナウイルスの感染拡大に加え旧正月後も中国便の運休や中国内の企業活動再開の遅れが嫌気されダウが大幅安、それに連れてドル円も108.31レベルまで水準を下げ、安値圏でもみあいのまま週末クローズとなりました。

いっぽうユーロドルはNY市場まではやや上値が重たい展開ではあったものの小動きが続く様子見相場となっていました。NY市場ではドル円の下げとともにドル買いの動きとなり、1.1096レベルまで上伸してほぼ高値引けとなりました。ユーロ円はドル円とユーロドルのドルの動きが同程度であったことから、終日狭い値幅の中でのレンジ相場のままでした。

ドル円は新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることから、中国と海外との直行便運休が広がっていますし、中国国内でもほぼ全土で旧正月後のビジネス再開を延期する動きから中国だけでなく、世界的に景気鈍化が懸念される状況です。米国株式市場にとっては、逆にいい調整が入る感じになりそうですが、為替市場では当面はドル売りと円買いとが目立つ流れになってくると考えられます。110円の大台もだいぶ遠のいてきましたので、実需筋のドル売りオーダーも今後水準を下げてくると考えられます。本日もドル円は戻り売り、108.65レベルをレジスタンスに108.25レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは金曜はドルの動きとなっていましたが、米国株式市場が一段と下げてくる場合には、リスクオフでユーロ円の売りが上値を抑える動きにもなりますので、その時によってユーロの方向性を決めるテーマが変わってくることになるでしょう。週明けは金曜の流れを受けてドルの動きから始まりそうですが、英国の離脱後の問題もあり、あまり大きくユーロが買われるイメージは湧いてきません。本日はユーロドルは1.1065〜1.1100とやや底堅い動き、ユーロ円はもみ合い継続ながらも若干上値の重たい展開を考え、120.00〜35とします。



配信日:2020年2月3日