デイリーレポート(2020年1月29日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日からの比較的底堅かった流れを受け東京市場ではじり高となっていましたが、新型コロナウイルス感染者拡大の懸念が拭いきれずに欧州市場序盤には株安とともに円買いの動きとなりました。その後は108.76レベルまで水準を下げたものの前日安値は下抜けず、NY市場では株式市場が買い戻される流れとともに前週末安値に近づいての引けとなりました。

いっぽうユーロドルは、欧州市場前は全く動きが出ませんでしたが、ドル円でのドル売りが収まる動きとともにドル買い戻しがユーロ売りとなりました。しかし、NY市場では株高の動きがユーロ円の買いにも繋がったことでユーロドルは東京朝型の水準に戻しての引けとなりました。

ドル円は底堅い動きから週末のギャップを埋める動きとなっていますが、それでもこのままリスクオンを続けられるような状況では無いと見ています。香港でも本土からの感染者流入を防ぐために旅行客をストップさせましたし、日本では人から人への感染も確認され、まだ感染拡大の途上にあるとしか思えません。本来ならば旧正月休みで世界的には中国からの観光客が押し寄せる波が減りましたし、中国国内でも生産、消費双方の鈍化が懸念されます。少なくとも2月いっぱいくらいは金融市場でも警戒は必要であると思いますし、そうなると株も為替も戻したところではリスクオフの動きが再開しやすいと見ています。本日は109.30レベルをレジスタンスに108.90レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは方向感ははっきりしないもののユーロ円の動きにほぼ追随する展開が続いています。ドル円同様にユーロ円も上がったとことでは改めてリスクオフに動きやすいと見ていますので本日も戻り売りを想定、ユーロドルは1.1000〜35、ユーロ円は119.95〜120.40とします。



配信日:2020年1月29日