デイリーレポート(2020年1月28日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

週明けの東京市場では、新型コロナウイルスの感染拡大懸念に加えて、イラクの米国大使館にロケット弾が着弾したとのヘッドラインに反応しリスクオフが強まってのスタートを切りました。しかし、早朝安値108.73レベルまでで、その後のドル円は109円を挟んでの様子見が続きました。

いっぽうユーロドルは、早朝のリスクオフの動きでユーロ円が水準を下げたにも関わらずユーロドルは小動きに留まり、NY市場まで1.1025を中心に方向感がはっきりしない展開が続きました。NY市場ではダウ同様に欧州株も大幅安となったことからユーロにも売りが入り一時1.1010レベルの安値をつけましたが、値幅は伴わず比較的落ち着いた一日となりました。

ドル円は早朝安値でその後は思いの外底堅かったいっぽうで、週末のギャップを埋めることも無く、引き続き上値の重たい流れとなっています。これまでは週末ギャップはその日のうちに埋めるパターンが多かったのですが、今回は埋めていないことを考えると、ギャップ埋めを期待した短期筋のにわかドル買いポジションが上値を抑えやすくなっていると見ることも出来ますし、動きとしては今回の新型コロナウイルスはそれだけ深刻に捉えられていると考えてもよいでしょう。

2002〜3年のSARSの初感染確認(11月)からWHOが世界的に警告を出す(3月)まで約4か月、その後の終息宣言(7月)までも約4か月であったことを考えると、少なくとも1〜2か月くらいは現状の感染拡大が続くリスクは高く、そうであるならば簡単にリスクオフ相場も終わらないと見ていたほうがよさそうです。本日もドル円は戻り売り、109.10レベルをレジスタンスに108.70レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルは、昨日はユーロ円の影響があまり見られませんでしたが、株式市場も円相場もしばらくはリスクオフ地合いが継続しやすく、欧州株安によるユーロ安も出てくるとなると、ユーロは対ドル、対円ともに上値が重たくなってくると考えられます。本日はどちらも戻り売りを想定し、ユーロドルは1.1005〜35、ユーロ円は戻り売りとして119.75〜120.30とします。



配信日:2020年1月28日