デイリーレポート(2024年3月21日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日朝の放送内容に代えさせていただきます。

*ファンダメンタル
 今週は金融政策ウィークで注目度が高い日銀とFRBの結果は簡単にまとめると以下のとおりです。

  • 日銀=引き締めへの第一歩
  • 1)マイナス金利解除
  • 2)YCC撤廃
  • 3)ETF等の購入廃止
  • 来的なバランスシート縮小にも言及し、大規模緩和から引き締めへの転換の第一歩となりました。

事前の観測報道通りであったものの、春闘での大幅な賃上げがインフレ率の高止まりにもつながり、年内の追加利上げは確実、年末時点での政策金利は0.25〜0.5%と見て良いでしょう。

  • FRB=ハト派な決定
  • 1)FF誘導目標は現状維持
  • 2)金利見通しは年末時点で3回利下げと変わらず
  • 3)QTのペースを早期減速が必要

事前のコンセンサス通りではあるもののインフレ高止まり懸念に関わらず3回利下げ予想を維持し、QTの早期減速は引き締めの鈍化と考えられます。このことから米国株は大幅上昇しています。

為替市場では、日銀の引き締めとFRBの緩和という以前からのテーマである日米金利差縮小によるドル安・円高が見込まれますが、直前の動きは織り込み済み、目先の金利差は続くということで大幅に円安に進みましたので、今週後半はその動きに対して調整の円買い戻しが出やすくなると見られます。

*ポジション
 シカゴの通貨先物のポジションでは円売りのピーク約13.3万枚からは減少したものの10万枚超えであること、前回の集計日(12日)からは改めて円売りが増加しているであろうことが予想されます。

*テクニカル
 ドル円は2022年高値151.94、2023年高値151.91、昨日高値151.82と151円台後半で上値を抑えられています。当局による牽制発言の効果もありますが、三度目の正直とならず、二度あることは三度あるのパターンになりそうな状況です。

もし上抜けすれば153円台が視野に入ることとなりましたが、短期筋の円売り解消で逆に3月安値と昨日高値との38.2%押しとなる149.78から半値押し149.15の水準へと押しが入りやすいと考えます。

*結論
 短期目線で上値トライ失敗後の下押しを考え、149円台後半への押しを前提にドル円は売りということになるでしょう。



配信日:2024年3月21日