デイリーレポート(2024年3月11日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は続落、東京時間は米国雇用統計を前に小動きだったものの、欧州市場序盤に日銀が3月19日の会合でマイナス金利解除に動く可能性がたかまっているとの見通しから147円割れ。その後NY市場までは小動きだったものの、米国雇用統計は非農業部門の数字が強かったものの、前月までの数字が下方修正されたこと、失業率と平均時給が予想よりも悪かったことから全体として雇用が弱いと判断され、米金利低下、ドル安となり一時146.48レベルの安値をつけました。引けにかけては週末前のポジション調整も出て147円を回復して引けました。

ユーロドルはやや上値が重たい流れでNY市場入りとなりましたが、全体としては弱かった米国雇用統計を受けてドル売り・ユーロ買い、一時1.0981レベルと1.10の大台に近づく場面も見られましたが試しきれず。引けにかけては1.09台前半へと押して引けました。

ここに来て3月会合で日銀がマイナス金利解除に動くとの見方が急速に広がってきました。日銀関係者の発言も3月に解除に動く可能性は十分にありうるという流れとなり、昨年末頃の見方に戻ってきた流れです。今週は春闘の結果がある程度見えてきそうなですし、来週19日の前日のNY時間に日経電子版に何らかの記事が出てくる可能性も含め、当日よりも前に公式リーク記事が出てくるかもしれません。

米金利低下によるドル売りと重なって当面はドル円は戻り売りが強まりそうですが、このままどんどん円高が進むというよりは145円水準でいったん底固めをするという動きになっていくのではないかと見ています。またユーロドルも1.10の大台を前に足踏みしそうですが、20日のFOMC前に一度は試しに行く流れでしょう。



配信日:2024年3月11日