デイリーレポート(2024年3月8日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京朝方からじり安の展開が続きました。日銀の3月マイナス金利解除の思惑が高まり円金利が上昇、植田総裁も大規模緩和の修正を検討と3月緩和を考慮に入れている発言を行いました。NY市場朝方には147.58レベルまで水準を切り下げ、その後やや買い戻しも見られましたが、引けにかけては改めてじり安の動きとなりました。

ユーロドルはECB理事会を前にNY市場まではまったく動かず。ECB理事会ではコンセンサス通り現状維持ではあったもののインフレは更に低下との文言に反応しユーロ売りが先行。しかし理事会後の総裁会見において、インフレに対する確信は十分ではないため景気抑制政策は当面続き、利下げの議論は無かったとしたことで買い戻しが進み、1.0949レベルの高値をつけました。

日銀のマイナス金利解除思惑からこれまで積み上がっていた円売りポジションが急速に巻き戻されています。引き続き戻したところでの売りが出てくることは間違いなさそうですが、中期的には145円を割り込むまでは行かないように思えます。

また今夜は米国雇用統計もありますので、数字次第では振れそうではありますが、今の地合いからすると上がっても下がってもドル円は円買い戻しの動きを誘う流れになりそうです。



配信日:2024年3月8日