デイリーレポート(2024年2月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

本日朝の放送内容に代えさせていただきます。

注目通貨ペア 「ユーロドルの買い」

*ファンダメンタル
 為替市場は強い米国の経済指標の影響を受けて対円ではドル買いが強まっていますが、いっぽうでECB関係者からも緩和時期後退を示唆する発言が続いています。先週はラガルド総裁、デギンドス副総裁とも早期上げに否定的な発言をしたことで14日以降はドイツ10年債利回りが米10年債券利回りよりも上昇ペースが速く、米独金利差は縮小方向です。
 日米金利差がドル円相場と相関が高いように、米独金利差とユーロドルの相関も高く、こうした動きからユーロドルは14日に目先の底を打ち上昇に転じてきました。
 ドル円ではドル高が続きますが、14日以降は鈴木財務相、神田財務官から最近の円安スピードが速いことや円安の悪い面いついての言及もあり、ドル円でもドル売りの動きが見えてくれば、それ以上にユーロドルは一段の上昇を見せる可能性が高いという地合いにあります。

*ポジション
 シカゴの通貨先物のポジションでは円売り急増が目立ちますが、ユーロの買いポジションはいまだ減少していて、短期的な動きとは乖離が見られます。先週末に発表された数字は5万3千枚程度と最近にしてはかなり少ない枚数で、今週末に発表される数字(昨日時点)はおそらく増加に転じ始めたことが見られるのではないかと予想します。

*テクニカル
 ユーロドルは米独金利差が縮小に転じた14日に当面の底を打ち、20日には昨年12月28日からのレジスタンンスラインを上抜けました。テクニカルなターゲットはこの高値(1.1139)と2月14日安値(1.0695)との半値戻し1.0917水準になると見られます。

*結論
 すでに安値から上げてきている感じはするものの、最近のユーロドルは値幅が狭く、まだ安値からも144pipsしか上がっていません。押し目があれば買いですが、1回だけ買い下がるつもりで現行水準での打診買いでも良さそうです。



配信日:2024年2月22日