デイリーレポート(2024年2月14日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

連休明けの東京市場では日経平均株価が38000円台に乗せ史上最高値更新を視野に入れる動きとともにドル円でも円安の流れが欧州市場序盤まで続きました。その後NY市場までは米国CPIを前に早朝水準へと押していましたが、総合CPIが3.1%(予想2.9%)、コアCPIも3.9%(同3.7%)と強い数字となったことから、米金利上昇、ドル高となりました。ドル円は149円台後半を一気に上抜け150円の大台乗せ、その後も買いが引かず150.88レベルの高値をつけ、そのまま高値圏での引けとなりました。

ユーロドルもNY市場まではドル円とドルの動きとして似たような足取りをたどり下げた後に買い戻しという動きでした。NY市場では米国CPI発表をきっかけとしたドル買いの動きからユーロドルも急落、1.0700レベルの安値をつけ、そのまま安値圏での引けとなりました。

米国経済指標が予想よりも強かったことによる米金利上昇、ドル上昇という流れがCPIでも繰り返されました。昨夜は10年債利回りが4.3%台と昨年12月1日以来の水準へと上げましたが、FF先物の取引状況から計算される利下げ織り込み度では、依然として5月から開始が67%とコンセンサスに変化は見られません。ただ6月は5月から現状維持がコンセンサスとなり、年末時点では4回利下げと3回利下げが五分五分と12月FOMCでの金利見通しに寄せてきている状況です。

為替市場、特にドル円の動きは150円の大台乗せはすぐには無いと考えていたため、シナリオを立て直しが必要となりました。当面はこれまで上値が重たかった149円台半ばがサポートとなり、昨年、一昨年高値の151.91/94レベルを視野に入れ押し目買いが出やすい流れが続きそうです。

ただ、中長期的な日米金利差縮小の流れには変化は無いため、152円台乗せといった動きにはも更なる材料が必要となるでしょう。目先は150円の大台を挟んで次の材料探しという流れがメインシナリオです。



配信日:2024年2月14日