デイリーレポート(2024年2月5日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

米国雇用統計を控えて東京市場では動意薄、欧州市場では若干底堅い程度の動きとなっていました。米国雇用統計はNFPが+35.3万人と予想の倍、失業率も3.7%と非常に強い結果となりました。数字を受けて米金利上昇、ドル高の動きとなり、ドル円は148.59レベルまで上伸し、若干押して引けました。

ユーロドルもNY市場までは小動きで若干底堅い動きとなっていましたが、ユーロ円の買いも入り1.0898レベルと週間高値を更新していました。NY市場では雇用統計を受けて急反落、1.0780レベルと前日安値圏へと押し安値引けとなりました。

米国雇用統計は1月分(2月発表)から、集計方法の見直しが入ることで1月分は予想を立てにくいのですが、今回もコンセンサスからは大きく外れた極端に良い数字が出ることとなりました。強い雇用が続いていることで、FRBの緩和時期が後退するのではとの見方も強まり、5月1日の利下げ織り込み度は67%と1週間前の88%から低下しています。

ただ5月1日まではまだ3ヶ月近くあり、それまで出てくる経済指標が全て強いとは限りませんので、依然として緩和開始は5月の可能性が高いという見方でよいでしょう。

ただ、ドル円が大幅上昇したことで先週後半の安値圏はごく短期的には底となっていて、押し目買いが出やすい流れになっています。週明け早朝市場では148.82レベルまで高値を更新したこともあり、現状は148円台前半ではドル買いオーダーが入りやすくなっていると見られます。

テクニカルには149円台前半まではまだ戻しの許容範囲であることを考えると、このまま150円の大台に乗せるというほどの動きにはつながらないと見ています。しばらくは米金利の動向を見ながら高値圏でのもみあいを続ける展開というところでしょう。



配信日:2024年2月5日