デイリーレポート(2024年2月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

FOMCを前にNY市場までは小動きだったものの、タカ派よりの内容になるのではとの見方もあり、欧州市場序盤には147.90レベルの高値をつけていました。NY朝方まで高値圏での取引となっていましたが、経済指標は軒並み弱かったことから米金利低下とともにFOMC前には146.01レベルの安値をつけました。

FOMCでは今までから変化したこととして、追加利上げの可能背の文言を削除し、インフレが持続的に2%に向かうまで利下げは適切でないと追加しました。前者はハト派的、後者はタカ派的と捉えられましたが、3月利下げは無いということを示したことはほぼ確実で、結果としてドル円は147.45レベルまで反騰後に147円を割り込んで引けました。

ユーロドルも基本的に同様でFOMC前に1.0888レベルまで上伸していたところから1.0795レベルまで下げ、引けは1.08台に乗せました。

ただFOMCが終わった後も米金利は下げ、また利下げ折り込み度も3月は35%まで下がったものの5月は100%、年末の水準は1.5%の利下げを織り込み、5月以降の全てのFOMCで利下げを見込む状況には変化がありません。逆に開始時期が5月1日のFOMCでほぼ確実というのが今回のFOMCであったと言えます。

そうなると、日銀が年末時点で0.1%なのか0.25%なのかは意見は分かれるものの、日米政策金利差は現状から1.6〜1.75%は縮小することとなり、長期債の利回りさも縮小方向であることは間違いありません。今後もドルの買い戻しを挟みながらも本流はドル安・円高という動きが続いていくことを感じさせたFOMCになったと思います。



配信日:2024年2月1日