デイリーレポート(2024年1月29日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は米国経済指標に反応しつつも方向感は見出せず、147円台後半をじり高の展開をたどりました。PCEコアデフレーターが予想よりも弱く、一時147.40レベルの安値をつけたものの押し目買いは根強く、引けにかけては148.21レベルの高値をつけそのまま高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは欧州市場序盤にECBの層切り下げ思惑から1.0813レベルの安値をつけましたがすぐに買い戻され、その後はNY市場までじり高となりました。NY前場には経済指標に反応して1.0886レベルの高値をつけたものの戻り売りも出て、引けは1.08台半ばで方向感がはっきりしないまま引けています。

日銀とECBの会合が終わり、流れとしては日銀はややタカ派的、ECBはややハト派的と捉えられていますが、これらは特段変わった内容ではなく、問題はいつ政策を変えるのかという点になっています。

今週は最大の注目となるFOMCがありますが、1月に出てきた経済指標を見る限り、12月に比べてタカ派的な声明となる可能性が高いというのが一般的な見方でしょう。そうしたタカ派バイアスに対して、その通りであるよりもハト派的な声明に反応しやすい地合いですから、FRBの利下げタイミングが5月1日のFOMCから変わらないと見られれば、イベント結果が出揃ってドル売りに動きやすい展開になるのではないかと見られます。

今週は月末の実需、そして米国雇用統計もありますので、FOMCのある31日以降に動きが出やすい週となりそうです。



配信日:2024年1月29日