デイリーレポート(2024年1月24日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

日銀会合の結果は予想通りに現状維持が発表され初動は円安、一時148.55レベルの高値をつけたものの、総裁会見もありすぐに上昇前の水準へと押しました。植田総裁会見では物価目標の実現、マイナス金利の解除といった単語も使いながら3月以降の出口戦略に含みを残す内容でした。それを受けドル円は一時146.97レベルの安値をつけました。しかし海外市場に入ってからは米金利上昇の動きもあり行って来い、NY昼過ぎには日中高値を上抜け148.70レベルの高値をつけましたが、引けにかけては148冤罪前半へと押しました。

ユーロドルは東京市場ではユーロ外の動きが目立ち一時前日高値を上回る水準となっていましたが、米金利上昇によるユーロ売りからNY前場には1.0822レベルの安値をつけ、引けにかけては1.08台半ばへと戻しました。

日銀会合の結果は予想通りだったものの総裁会見は思ったよりもタカ派で日銀材料としては円買いバイアスで良かったと思いますが、その後の米金利上昇の動きで市場参加者にやや迷いが見られた海外市場となりました。

しかし、これまで同様に植田総裁の発言は最初はややタカ派的でその後他の日銀スタッフがトーンダウンして行きながら着実に出口戦略に向けて地ならしをしていくスタイルです。就任当初よりも時期は後退していますが、おそらく3月か4月にはマイナス金利解除、イールドカーブコントロールの撤廃、年後半には政策金利に付利し0.25〜0.5%になっていくというシナリオはあるでしょう。

中期的なテーマとして、日銀の動向には引き続き注意が必要ですが、明日はECB理事会、来週にはFOMCとまだヤマ場が控えていますので、一通り出揃ったところで、日米金利差縮小の流れは変わらないであろうことを確認してから、円高の動きという展開が予想されます。



配信日:2024年1月24日