デイリーレポート(2023年12月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は前日NY引け間際の株安の影響が残り株式市場の上値が重くリスクオフの円買いが先行しました。東京後場には買い戻しが入ったものの、欧州市場入りとともの改めてドル売りの流れが強まり、NY市場では米国7〜9月期DGP確報値が下方修正されたことからドル売りが強まり、142.04レベルまで下げて安値圏での引けとなりました。

ユーロドルもドルの上値が思いことから底堅い動きとなっていましたが、欧州市場に入り米金利低下の動きからドル売り・ユーロ買いが強まり、NY市場でも弱い経済指標を受けユーロ買いが強まる動きとなりました。引けにかけて1.1013レベルと1.10の大台に乗せ高値引けとなりました。

弱い米国経済指標が来年の利下げ思惑を一段と強くしています。FF先物では2024年12月のFOMC時点で6回以上の利下げ(3.75〜4.0%)織り込み度が80%にまで上昇し、7回以上の利下げ(3.5〜3.75%)も43%に達しています。FRBは前回FOMCで3回利下げの見通しを示しましたが、インフレの沈静化と景気後退懸念を背景に3月からの利下げ開始と見通しの下方修正という動きが見えてきそうです。

そうなると、第2四半期には日銀の引き締め開始も予想されているため、日米金利差は大幅に縮小、その思惑がドルの一段安を招く動きとなっています。年内に140円の大台トライを予想する向きが着実に増えている状況です。



配信日:2023年12月22日