デイリーレポート(2023年12月15日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円はFOMC後のドル売りの流れを続け東京昼過ぎには一時140.95レベルの安値をつけました。その後は140円台では利食いの買いも出て142円超えまで反発。上下に振れやすい展開ではあったものの142円台では戻り売りも出て、141円台半ばから後半をもみあいの中心とした動きとなりました。

ユーロドルはECB理事会を前にしてはいたものの、東京市場では全般的なドル売りの動きからユーロ買いの動きとなっていました。ECB理事会では予想通り現状維持となったものの声明はタカ派的でインフレ懸念にも言及、ラガルド総裁も会見で利下げについては全く議論せずと、FRBの方がハト派だったとの解釈からユーロ買いが続き1.10の大台乗せ後に高値圏での引けとなりました。

これでFRBは利下げも議論しECBは議論せずと、事前のECBの方が景況感悪化懸念が強いという見方は当面変化することとなりました。しかし、インフレ懸念があるとは言っても、欧州のインフレ率も順当に下げてきていることを考えると次回以降の理事会ではトーンがハト派になることも十分に考えられます。

次の注目は来週の日銀会合となりますが、現状維持は予定通りとして、出口戦略についての言及があるかどうかが注目されます。それまでは、ドル円は上値が重く、ユーロドルは底堅くと、ドルの一人負けという動きが続きやすいと見て良いでしょう。本日のところは週末前で大きな動きは無いでしょうが、日柄的には振れやすい時間帯にいる点には注意でしょう。



配信日:2023年12月15日