デイリーレポート(2023年12月1日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では全く動きが無かったものの、欧州市場に入りユーロ安に連動して遅れてドル買いに動きました。その後、NY市場に入ってからは複数のFRB関係者がタカ派な発言をしたことで一時148.52レベルの高値をつけましたが、月末実需の売りも出てやや押して引けました。

ユーロドルも東京市場では動かず、欧州市場序盤に発表されたフランスのCPIが予想よりも弱かったことをきっかけにユーロ売りに動きました。その後もじり安が続き、実需の売りも出た様子で1.0879レベルまで押し、安値圏での引けとなりました。

FRB内ではまだタカ派が多いことを感じさせる発言が続きましたが、FOMC前のブラックアウト期間に入る前に強弱発言はミックスしているものの、現状維持という点は変わるとは思えません。その先の緩和への転換が早いのか遅いのかという点が問題ではあるもののウォラー理事も数ヶ月と言っているように、しばらくは出てくる数字を見ないとわからないとしか言えません。

ただ、最近出てくる数字はインフレが減速していることを示すものが多く、流れとしてはウォラー理事の発言に沿った方向に動いていく可能性が高まってきているように思います。ドルはユーロドルの下げと10年債利回りの上昇で買い戻されていますが、戻り売りの流れは変わっていないと考えています。



配信日:2023年12月1日