デイリーレポート(2020年1月7日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

米国とイランの対立による中東情勢緊迫化からリスクオフの東京市場再開となりました。株式市場は欧州市場序盤まで売りが続いたものの、ドル円は早朝につけた107.77レベルを安値にその後は終日じり高の展開を辿りました。ひとつは連休明けの東京市場で実需のドル買いが思いの外根強かったこと、海外市場に移ってからの株価反発に伴ってにわかショートの買い戻しが出たことが大きかった様子でした。

いっぽうユーロドルは東京市場では全く動きが見られませんでしたが、欧州市場に入り発表された欧州の経済指標が強かったことを受けユーロが上昇、金曜の高値を上抜けると先週後半に売った向きのストップも巻き込みながら一段高となり1.12台を回復。NY市場ではドル買いの動きとユーロ円の買いに挟まれて横方向へのもみあいのまま引けました。

ドル円は昨日は米国からもイランからも特に行動が見られなかったことで、いったんリスクオフ姿勢が弱まった動きとなりましたが、悪化もなければ改善も無い中ではこのままリスクオフの巻き返しの流れを継続することは困難です。引き続きイラン側は何らかの対米報復を考えているでしょうし、周辺国で米国とイランの仲介役となりそうなトルコ、あるいはトルコとロシアの首脳会談を控え現状は小康状態に過ぎないというところではないかと見ています。そうなると、上がったところでは売りで入ったほうが良いと考えられますので、本日は108.60レベルをレジスタンスに108.10レベルをサポートとする流れを見ておきます。

ユーロドルはリスクオフの動きが続く場合はユーロ円も下げることからユーロ売りとなりますが、昨日のように巻き返しが出るときは素直に買いという動きではありませんでした。昨日の上げはどちらかというと欧州経済指標とその後のストップという動きだったと言えます。ただ、引き続き中東情勢がはっきりしない中で、ドル円もユーロ円も戻り売りが出やすい地合いが続くと見ていますので、ユーロも基本は上がったところは売りで考えています。本日は、ユーロドルが1.1160〜1.1210、ユーロ円は121.00〜55とします。



配信日:2020年1月7日