デイリーレポート(2023年11月17日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

NY市場が始まるまでは151円台前半の狭いレンジで方向感がはっきりしない展開が続きました。NY市場朝方に発表された失業保険申請数が予想よりも弱く、輸入物価が大きめのマイナスとなったことを受けて米金利が低下、その後の鉱工業生産やNAHB住宅指数も軒並み弱く、米金利が4.43%台まで低下する動きとともにドル円も150.29レベルの安値をつけました。引けにかけては金利が下げ止まったことやドル円の大台トライができなかったこともあって150円台後半へと戻しています。

ユーロドルは昨日も低調な動きが続き、NY前場の一連の経済指標に反応した金利低下で1.0896レベルと週間高値は更新したものの跡が続かず。その後引けにかけては買われる前の水準へ押して引けました。

米金利の動きもドル円の動きも下方向をトライしたいという流れになっています。今週最重要と見られたCPIが弱かったことで、利上げは終了したとの見方が広がっていることが大きいでしょう。FF先物の12月FOMCにおける利上げ折り込み度も0.3%にまで低下し、FRB関係者からタカ派な発言が出たとしても、ターミナルレートに到達したという見方は変わりそうもありません。

そうなってくると、なかなか下げ切らない10年債利回りの4.42%台を明確に下回るような動きが出てくると、ドル円も150円の大台トライにつながりそうです。週末を前に大きな動きは出にくいでしょうが、あるとすれば下という見方をしておきます。その後どこまで下がるかとなると依然として押し目買いは出てくるでしょうから149円台半ばから前半は買い場と見られると考えています。



配信日:2023年11月17日