デイリーレポート(2023年10月25日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は前日海外市場で下げた動きを継続、後場には米金利が前日水準を下回った動きも手伝ってストップも巻き込み一時149.32レベルの安値をつけました。しかし海外市場に移ってからユーロドルが大幅安となったことからドル円でもドル買い戻しが入り、NY市場で149.93レベルまで上昇後、そのまま高値圏での引けとなりました。

ユーロドルは東京時間は前日の買いが継続し後場には1.0694レベルまで上昇していました。しかし欧州市場序盤の弱いドイツの経済指標をきっかけに反転下落、前日のECB理事会を前にしたポジション調整に乗っかって買っていた短期筋が売ったことで2日掛けての行って来い。1.0583レベルまで下押しし、若干戻して引けています。

ドル円は落ち着くとドル買いというこれまでの流れを繰り返し、よほど居心地が良いのか気づくと149円台後半にいるという状態です。絶対的な日米金利差を考えると当然ではありますが、同様に150.00にあと1戦まで近づいてもつけることができないため、150円の大台が近くて遠い状態も続いています。

こうした本来のトレンドに逆らった異常とも思える動きは、オプションオーダーが入っているか、当局から何らかの情報(次の150円台は大規模介入をする予定など)を得ていて、買うことが出来ないといったことがありそうですが、来週の日銀会合を前にサプライズで緩和縮小(YCCの再調整・廃止、マイナス金利解除の見通し発表など)が想定されている可能性もあります。そうでなければ、誰かが150円を試しに行く動きがあるはずですが、先週後半からの上値の重さは何かありそうだと勘ぐりたくもなるところです。

また明日はECB理事会ですが、今回は現状維持で利上げは見送りとなる公算が高そうですし、景気悪化について更なる見解が示されることもありそうです。この2日の動きはいったん売り手が切らされたものの、書いても切らされ先週からの緩やかなユーロ買いの速度に戻った感じです。ただユーロドルもECB理事会が終われば改めてドル買い(ユーロ売り)の流れに回帰する可能性のほうが高いでしょう。



配信日:2023年10月25日