デイリーレポート(2023年10月23日配信)

著者画像
WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では動かず、欧州市場に入り植田日銀総裁の緩和継続発言をきっかけに円売りが出たものの高値は149.99レベルと介入警戒感は強いまま。一時大口の売りに149.69レベルをつけたものの、これが一日のレンジとなりました。売りが出た後はすぐに元の水準へと戻しましたが上値は重いままでNYの市場では東京朝方の水準に押して引けました。

ユーロドルは東京市場ではじり安、欧州市場に入りドル円が下げた際に水準を上げ、その後は高値圏でのもみあいが続きましたが値幅は39pipsに留まり静かな週末相場となりました。

ドル円は押し目買いが根強い一方で150円の大台乗せに対しての警戒感も根強く動きが取れないというところのようです。さすがにここまで高値圏での膠着が続いているとそろそろどちらかに抜けそうですが、ありそうなシナリオとしては150円の大台に乗せ前回高値をトライしたら介入が出て急反落というところでしょうか。

ただ、介入後に止まったところでは間違いなく押し目買いが出てくるでしょうから、多少の振れは許容して148円台半ばでは買いが入ってくるように思えます。あとはもし下げるとしたら何がきっかけとなるのか、結局大台に乗せられず下げ始めてきた場合の、もしものシナリオ(イスラエル情勢の悪化、株安と米国債売りがトリガーとなる動き、など)も考えておく必要はありますが、現状は可能性としては低いと言わざるを得ません。

今週は26日にECB理事会、来週は31日に日銀会合、1日にFOMCとまた金融政策ウィークが始まります。サプライズは無い(すべて現状維持)ことがコンセンサスとなっていますが、このあたりの空気の変化も要注意でしょうか。



配信日:2023年10月23日