デイリーレポート(2023年10月18日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

来年の日銀による物価見通しが2%へ上方修正される公算とのニュースを受け、緩和縮小思惑から一時149円割れの動きを見せました。しかし、日計りショートが踏み上げさせられすぐに元の水準に戻すと、強い米国経済指標も加わって149.85レベルへと上昇し高値引けとなりました。

ユーロドルは東京市場ではドル円同様にややドル高(ユーロ安)、その後強いドイツの経済指標をきっかけに上昇に転じ、ドル円との振れでユーロ円も触れたことからユーロドルも触れる場面も見られましたが、1.0595レベルまで上昇を続け、引けにかけてはやや押しました。

昨夕のドル円の一時的な円高は海外勢が過敏に反応したことによるものですが、これまで日銀だけが緩和政策を取っていたものが、縮小に転じるという可能性は常にその後の大きな流れの変化に繋がる可能性があるとの思惑を反映した動きだと言えます。

今後も同様の動きは出てきそうですが、実際にインフレ見通しが上方修正され、植田総裁をはじめ日銀関係者が緩和縮小についての発言をしてくることは間違いなく、それが年末なのか来年夏以降なのか、今後はそのタイミングを見極めることになるでしょう。

本日はバイデン大統領のイスラエル訪問もあり、その動向を見守る展開となりそうですから、リスクオンにもリスクオフにもどちらにも動きうるというスタンスでいたほうが良いでしょう。



配信日:2023年10月18日