デイリーレポート(2023年10月16日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は終日のレンジがわずか38銭に留まる最近のドル円にしては非常に狭い値幅での取引に留まりました。前日高値圏から週末前のポジション調整で若干下げた値動きでした。

ユーロドルは東京市場では米金利低下に引っ張られてのドル売り(ユーロ買い)が選考しましたが、海外市場に移ってからはイスラエル情勢を悪材料としたユーロ売りが出て1.0496レベルまで下押し後、若干戻して引けました。

ドル円は基本的には押し目があれば買いという流れに変化は無さそうですが、小規模介入と思われる水準が150円の大台超えだったこともあって、上下ともに動きにくい流れとなっています。ただ週明け以降も大きく下げる動きは考えにくく、イスラエル情勢に急変が無ければ、改めて押し目買いが出てくる流れにあります。

一部でウクライナ、イスラエル、次は台湾有事の可能性もと警戒する声が上がっていますが、たしかに可能性は否定できないものの今すぐどうこうということは無いと思います。まずは目の前で起きているイスラエル・パレスチナ間の紛争がどうなるのかを考えるべきで、金融市場では安全資産である米国債が買われやすく、為替市場では地政学的に近いユーロは売られやすく円は買われやすいという流れになるでしょう。

ただ上述の通り、ドル円では押し目買いも根強いものがあり、現状では149円割れでは既にドル買いオーダーが入っていると見て良さそうです。



配信日:2023年10月16日