デイリーレポート(2023年10月11日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

東京市場のドル円は前日の流れを受けて朝方に148.16レベルの安値をつけましたが、その後は買い戻しが強まりました。日銀の物価上昇率見通しが上方修正されたことで一時的に押しは入ったものの、米金利上昇によりNY市場が始まる前に149.10レベルの高値をつけました。NY市場では米金利低下、ドル売りとなり148円台半ばまで押した後、やや買いが入っての引けとなりました。

ユーロドルは上下しながらも買いが継続しました。フランス中銀総裁による利上げ打ち止め発言もありましたが、米国からも地区連銀総裁による利上げ打ち止め発言もあり、結果としてはNY市場での米金利低下に引っ張られて、ユーロドルは1.0620レベルまで上昇。引けにかけては若干押して引けました。

ドル円は徐々に149円台ではいったん売りと考える参加者が増えてきた様子です。日経平均が強く、この動きはドル円の買い材料となっていますが、今後米金利の利上げ打ち止め思惑が強まると短期的にはドル円は下押ししやすい地合いになっていきそうです。

ユーロドルは7月高値からの下降チャンネルの中での動きを続けていますが、先週下限にタッチし現在は上限(今週1.0600〜1.0650)に向かって上昇中です。残りの値幅もそれほど大きくはありませんが、上限にタッチするようであれば、より大きい下降トレンドに回帰する可能性が高いでしょう。

本日も短期的なドル売りの動きが継続しやすい地合いですが、ドル円の下値もまた限定的で下がったところでは買いという動きは変わりそうもありません。



配信日:2023年10月11日