デイリーレポート(2023年10月4日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は昨日も底堅くごく緩やかな速度で円安が進んでいましたが、NY朝方まで150円の大台を前に一進一退、オプション絡みのオーダーでもあるのか、逆に150円をつけたら急速に円安になるかもしれないと多くの参加者が考えていました。NY10時台に150円をつけると150.16レベルの高値をつけましたが、その後おそらくは介入と思われるドル売りに、一時147.27レベルと3円近い急落を演じ、その後すぐに買い戻され149円水準での引けとなりました。

ユーロドルはドル円の動きをよそに欧州市場で若干の上下を見た程度で一日のレンジも46pipsにとどまりました。ユーロ円はユーロドルが動かない中でドル円の上昇と急落の影響を受け、157円台前半から147円台前半へと急落後に156円前後に戻しての引けとなりました。

150円を超えたら介入が出るのではないかと考える参加者も多かったと思いますが、10月に入り警戒感はやや薄れていたようにも思います。150円を試そうという動きに繋がったところで、介入と思われる動きに急反落を演じました。当局筋はノーコメントとしていますが、さすがに介入を装った大口売りでは3円近い下げを演じることは出来ないと思います。更なる円安進行をいったん止める動きに入ったと見たほうが自然です。

ただ絶対的な金利差があることから下がったところでは買いと考える参加者が多いことも事実で昨日は148円台前半あたりから下にはそれなりドル買いオーダーも入っていたと見られ、拾えた人はラッキー、拾えなかった人はすぐには次の介入は無いであろうことから、どこで買うべきかを悩んでいるところでしょうか。

今後も150円台で昨日の高値をトライするような動きが出れば介入も出てくるという流れだと思うものの、サポート側の水準は引き続き148円台半ばより下には買いが入っているという見方でよさそうです。

もし当局が本当に円安を止めたいならば落ち着いたところでも追撃のドル売りに入ってくるのですが、今回はそこまでのことは考えていないと思われ、落ち着いたらドル買いというこれまでの動きには変化は無いと考えています。



配信日:2023年10月4日