デイリーレポート(2023年9月22日配信)

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WRITER 山中康司
代表理事
金融リテラシー協会は、日本の金融立国化に貢献し、日本の新たな未来を創造するために設立された協会です。 詐欺にあわない知識、お金を活かすための知識、ふたつの知識の普及・啓発を行い、国民生活の向上と日本経済の発展に貢献し、金融経済教育の分...

ドル円は東京市場では一時148.46レベルまで高値を伸ばしたものの介入警戒感も強く148円台半ばでザラ場の反転パターンを形成しつつ欧州市場に入りました。ストップオーダーを引っ掛けてドル円が下げ始めると英中銀が予想に反して政策金利を現状維持としたことでポンド円、ユーロ円の売りもドル円の下げを加速させました。さらに前日のFOMCで引き締め長期化を嫌気した株式市場の下げが続き、リスクオフの動きによる円買いも加わり、NY市場では147.32レベルまで下げ、やや戻して引けました。

ユーロドルは東京市場では売りが先行し1.0617レベルの安値をつけたものの1.06台前半はテクニカルなターゲットとなっていたこともあり底打ち。その後は、英中銀MPCに向け買い戻しが入った後にポンドとともに下げたものの、NY市場では市場では買い戻しと、どちらかというと1.06台前半での底堅さを感じさせた一日となりました。

FOMC後は米株を中心に株式市場での売りが続き、リスクオフの動きから円が買われやすい流れとなっていますが、日銀会合に警戒してのポジション調整による円買い戻しの動きも一部にはあったかと思います。会合自体は特にサプライズは無いはずですが、先日のマイナス金利解除への言及に対して、植田総裁への質問がでることは間違いなく、15時半からの会見には注意でしょう。

なお昨夜は英中銀以外にも、スイス中銀が現状維持と景気後退リスクを重視する中銀も欧州に多いことを感じさせました。なおトルコ中銀は予想通り5%乗り上げを行い、インフレと戦う姿勢を明確に示しました。トルコへ海外の投資家が戻る動きも今後期待できる流れになってきたように思います。



配信日:2023年9月22日